京都大学
研究データ管理・公開支援

研究活動の過程で生み出される研究データを適切に管理・保存し、また公開により利活用を促進することは、 研究データの価値を守り高めることであり、それによりこれらの理念を具現化し、 学術研究の広範囲にわたる発展と地球社会の調和ある共存に大きく貢献することができる。

「京都大学研究データ管理・公開ポリシー」より

このサイトでは、研究データに関する状況を整理し、研究者は何をすべきか、そして京都大学がどのような支援を行っているかをご紹介します。

研究データ管理とは

研究データ管理とは「ある研究プロジェクトにおいて使用された、あるいは生成された情報を、どのように組織化、構造化、保管、管理していくのか」を指す言葉です。 具体的には、次のことを明確にして実践することを指します。

  • 研究データ管理計画(Data Management Plan:DMP)の策定
  • 研究中の日々の情報の取り扱い
  • 研究後の長期的なデータの取り扱い

近年は研究費を申請する際に研究データ管理計画の提出を求める研究助成団体が増えてきています。また、科学研究費助成事業では令和6(2024)年度以降、交付申請時にDMPの提出が求められる予定です。
以下では研究データ管理に関する情報をまとめています。

研究データを公開するには

京都大学に所属する方は機関リポジトリKURENAIで研究データを公開することができます。

また、KURENAI以外のデータリポジトリに研究データを公開する際の、データリポジトリの選び方も紹介しています。

近年は論文の根拠となった研究データの公開を求める研究助成機関や学術雑誌が増えています。
研究データの公開には、研究の透明性担保という研究公正の側面と、再利用可能なデータの利活用による学術研究促進の側面とがあり、いずれもオープンサイエンスを推進するものとして期待されています。

よくある質問

研究データ管理に関するよくある質問をこちらにまとめています。

研究データとは

「研究データ」という言葉は様々な場面で使われますが、ここでは京都大学研究データ管理・公開ポリシーをはじめ、京都大学の規程等に沿って「研究公正」と「研究データ管理」の二つの文脈に整理して「研究データ」の考え方を紹介します。

研究公正の文脈では、研究データは「発表された研究成果の根拠となる研究資料等」1を指します。 その一方で、研究データ管理の文脈では、研究データは「本学の研究活動の過程で研究者によって収集または生成された情報を指し、デジタル・非デジタルを問わない。」2としています。 このように、研究公正と研究データ管理では「研究データ」として扱う範囲が異なります。研究公正における研究データは、研究データ管理で扱う研究データの一部であるといえます。

また、いずれの文脈においても、「研究データをすべて公開しなければいけない」とはしていません さらに、研究データは適切な管理が必要ですが、「適切な管理」とは全ての研究データを永久に保管することでもありません。
公開するデータと非公開にするデータを区分し、それぞれに保管期間をさだめて適切に処理すること、そしてだれがその責任を負っているかを明確にすることが重要です。
研究データ管理研究公正については個別のトピックもご覧ください。

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  1. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件公正な研究活動の推進
  2. 京都大学研究データ管理・公開ポリシー

参考:ポリシーについての解説・補足(HTML版)(PDF版

研究公正

「研究データとは」で解説したとおり、「研究データ管理」と「研究公正」という二つの⽂脈によって研究データを示す範囲は異なります。
研究公正における研究データとは「発表した研究成果の根拠となる研究資料等(文書、数値データ、画像等)」であり、これは研究データ管理で扱う研究データの一部ですが、本学規程等1 2により「適正な保存方法により一定期間(研究成果の発表後、原則10年以上)保存し、必要に応じて当該研究データを開示しなければならない」とされている研究データです。研究データ保存パンフレット3でもわかりやすく解説しています。適切な研究データ管理は研究公正にとっても必要な取り組みであるといえるでしょう。
以下は本学で定めている研究公正の取り組みをまとめています。

  1. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程
  2. 京都大学における公正な研究活動の推進等に関する規程第7条第2項の研究データの保存、開示等について定める件
  3. 公正な研究活動の推進のための研究データ保存【パンフレット】

本サイトの運営について

本サイトは研究データの管理と公開を支援することを目的として、研究データ管理・公開促進ワーキンググループが運営しています。 研究データ管理・公開促進ワーキンググループは、2020年3月19日に策定された「京都大学研究データ管理・公開ポリシー」を踏まえ、研究データ管理・公開を促進するために設置されました。
研究データをめぐる問題は多くの課題があるため、研究データに関わる複数の部署が協力してこの課題に取り組んでいます。
研究データのことで困ったことがあればお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

京都大学 研究者情報整備委員会リサーチデータマネジメント専門部会
研究データ管理・公開促進ワーキンググループ
rdm-wg [at] mail2.adm.kyoto-u.ac.jp