RDMの実践とメリット #
実践に向けて #
概要で述べたとおり研究データ管理(RDM)とは、研究者自身が次のことを考え、実践していくことを指します1)。
- 研究データの取り扱い計画(Data Management Plan: DMP)の策定
- 研究中の日々の情報の取り扱い
- 研究後の長期的なデータの取り扱い
研究分野によっては、すでにRDMについて合意が形成され、保存すべき研究データのチェックリスト等が存在するところもあれば、未成熟または発展途上の研究分野については、これから既存の研究データ保存に関する基準が当該分野のニーズに適用できるか等の検討がなされていくでしょう。日々増大する研究データの中から何を保存すべきか、分野やデータタイプ別の保存期間、保存場所、保存方法について、研究者自身が考えていくことがRDMの第一歩です2)。
研究者のメリット #
RDMは、責任ある研究の重要な部分であると同時に、研究者自身にとって、また研究者同士にとっても、次のようなメリットがあります。
先行する海外の学術機関が掲げるRDMのメリット3)
- 自分の研究への影響力を増加
- 適切な管理によるデータ分析時間の短縮
- データの長期(永久)保存、データの完全性の維持
- 資金配分機関の要件の充足と助成金獲得による競争力向上
- 新しい発見、効果的な共有と再利用の促進
- オープンアクセスのサポート
- 次世代の研究者の利活用へ貢献
また、適切なRDMは、学術機関にとっても、研究力把握と研究力の強化につながることから、必要な環境を学術機関が整備し、支援することが主流になっています4)。
図:RDMとステークホルダー5)
リーフレット #
上記の内容を含め、研究者・大学の双方に有用な研究データ管理の概要を記載しています。学内での広報にご活用ください。
(京都大学図書館機構 2023.4更新)